財界九州2016年11月号に掲載されました
財界九州2016年11月号に掲載されました
九州・沖縄で’胎動’する起業支援 スタートアップカフェ
開設から2年経ち他地域にも”同様施設”
「創業特区」で醸成される起業への機運
福岡市が「グローバル創業・雇用創出特区」に指定されて2年がたつ。
規制緩和などさまざまな施策が実施されて成果を挙げている。
中でも取り組みが奏功し、福岡市の起業シーンの印象的存在となっているのが、「スタートアップカフェ」だ。
独立、起業を目指す人が最初に訪れる場所として認知度は高まっており、実際にその機能を利用して起業した人は増えている。
起業機運を高める機能を十分に果たしている。
60歳を前に起業を決断2か月で会社立ち上げ
JR博多駅筑紫口側オフィスビル。
多くのベンチャー企業が居を構える施設に昨年、58歳の男性が起こした企業がある。
企業名はスリーマウス。
同社社長である山口浩司社長は吉野家ホールディングスで店舗開発などに携わった後、病院など給食受託企業に転職。
そこから独立し、自ら病院の給食を受託する企業を昨年7月に起こした。
同社は病院への栄養士と調理師を派遣する特定派遣事業、給食事業の受託事業、飲食店の業務受託事業を柱に据えている。
現在、8人の栄養士と調理師を病院に派遣し、福岡県下の2病院の給食を受託、ショッピングモールに出店する店舗の業務受託を行っている。
山口社長が起業した理由は「病院の給食受託事業に課題があると感じたから。」以前、勤めていた給食受託会社では現場でミスが繰り返し起きていた。
中にはホスピスに出す食事でミスが起きるケースもあった。
なぜ、こうしたミスが起こるのか。
それは現場での意識が低いからだと感じた。
「食事というのは病床にあっても患者にっとっては楽しみ。いわんや、ホスピスでは患者の最後の食事になる可能性もある。自分たちは最後になるかもしれない食事を作っているという自覚が足りない。」
意識が高く、ミスが起こらないマニュアルを徹底した病院食の現場を作りたいと思い、58歳で独立を決意した。
「実は病院の給食は本部の経費の割合が高い。この経費を抑えることで、もっと満足度が高い病院食を提供できる。」
競合は多いが、経費をフットワークの良さで勝負したいと考えている。